1本で実がなる果樹のおすすめ10選!自家結実性についても解説
1本で実がなる果樹ってどれ?

「庭のスペースがそこまで広くとれないから、果樹を2本も植えられない…」
「2本も果樹を育てるのは、正直手間だから避けたいな…」
このようにお考えではないでしょうか?
果樹の多くは、同じ種類を2本植えて受粉を促し、実をつけやすくするものが多いのは紛れもない事実です。
しかし、中には1本だけで受粉し、結実する果樹も存在します。
そこでこの記事では、1本で実がなる果樹はどうやって見分けるのかを解説した上で、おすすめの果樹を10種類ご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
この記事は、お忙しい方のために、目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか、気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
1本で実がなるかどうかは「自家結実性」があるかどうかで決まる
1本で実がなる果樹かどうかは、自家結実性があるかどうかで決まります。
とはいえ「自家結実性って何?」という方も多いはずです。
そこでここからは、自家結実性について簡単に解説します。
自家結実性とは
自家結実性とは、果樹自身の花粉で受粉し、実をつける性質のことを指します。
一方で、ほかの木の花粉で受粉し実をつける性質のことは、他家結実性と呼ばれます。
果樹は基本的にどちらかの性質をもっており、これにより1本で実がなるかならないかが決まるのです。
また、中には自家結実性が若干あるものの、1本だけでは多くの収穫量が望めないといったものもあります。
自家結実性があるがかどうかは果樹の種類・品種によって異なる
先ほどもお伝えしたように、自家結実性があるかどうかは基本的には果樹の種類によって異なります。
ただし、中には同じ果樹でも、品種によって自家結実性の有無が異なる場合もあるのです。
例えば、桃の中でも「あかつき」という品種は自家結実性がありますが、一方で「清水白桃」という品種は自家結実性がありません。
そのため、1本で実がなる果樹を選ぶ際は、果樹の種類だけでなく、品種にも注意を配る必要があります。
1本で実がなる果樹のおすすめ5選
世の中には数多くの果樹があるため、自家結実性のあるものを選ぶのは大変と感じる方もいるはずです。
そこでここからは、1本で実がなる果樹のおすすめをご紹介します。
まずは、基本的にどの品種でも自家結実性のある果樹から見ていきましょう。
イチジク

イチジクは、1本で実がなる果樹の中でも特に初心者でも育てやすく、家庭栽培におすすめできる果樹です。
一つひとつの栽培管理がそこまで難しくないため、慣れない方でも収穫までこぎつけやすくなっています。
完熟したイチジクはデリケートで流通が難しく、スーパーなどに並んでいるイチジクは早採りのものが多いため、自分で育てることで正真正銘の完熟果を楽しめるのも魅力の1つです。
◆イチジクの育て方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→イチジクの育て方!実をつけるにはどうしたらいい?【プランター・庭植え】
金柑

金柑は1本でよく自家受粉し、多くの実をつけてくれる優秀な果樹の1つです。
病害虫にも強いため、虫が苦手な方や、農薬の使用を極力減らしたいという方にもおすすめできます。
また、金柑は年数が経っても背が低いままなので、管理しやすいという特徴も持っています。
レモン

レモンも自家結実性が強く、1本だけ植えてもしっかり実をつけてくれる果樹です。
レモンは柑橘系の中でも寒さに弱く、-3℃以下の環境では枯死してしまう恐れもあります。
そのため、寒い地域で育てる場合はプランターで育て、冬は室内で育てるのがおすすめです。
一般的に葉の付け根にトゲがありますが、近年ではトゲなしの品種も出回っているため、家庭菜園で育てるならトゲなし品種を選ぶ方が怪我のリスクが少なくなりますよ。
ビワ

ビワは、1本で実がなるほか、果実の生長時期が比較的寒い時期であることから、病害虫被害も少なめの果樹です。
また、ほったらかしでもある程度しっかり育ってくれるので、手間のあまりかからない果樹ともいえるでしょう。
ただ、ビワは高木化しやすく、自然にまかせて伸ばしてしまうと10m以上の大木になってしまいます。
選定で高さをコントロールするか、プランターで育てて高さを押さえることを強くおすすめします。
ぶどう

ぶどうもこれまでご紹介してきた果樹と同様、1本だけで実をつける果樹です。
ぶどうはつる性の果樹なため、庭植えにする場合は棚を準備するなど広い場所が必要になります。
スペースが準備できない場合は鉢植えでも育てられるため、庭の広さに合わせてどちらにするか選びましょう。
育てるのにコツは必要ですが、実が収穫できたときは美味しい果実とともに、大きな達成感を得られますよ。
◆ぶどうの育て方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→【プロに聞いた】家庭菜園でも美味しいシャインマスカットの育て方
品種によっては1本で実がなる果樹5選
次に、品種によっては1本で実がなる果樹を5つご紹介します。
具体的な品種名もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
桃

桃は、品種によっては1本で実がなる果樹の1つです。
自家結実性のある桃の品種の例は以下の通りです。
・日川白鳳
・大玉白鳳
・黄金桃
・あかつき
・大久保
これら以外にも1本で実がなる品種もあるため、桃を育てたいとお考えの場合はネットで調べたり店員さんに聞くなどして、よく確認してから購入することをおすすめします。
◆桃の育て方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→【初心者向け】家庭菜園でも美味しい桃の育て方
柿

柿は基本的に1本でなる性質を持っていますが、一般的には受粉樹に適した品種との混色がおすすめされています。
ただ、禅寺丸については1本でも実がなりやすいため、柿を1本で育てたい場合は禅寺丸をおすすめします。
とはいえ、基本的には2種類以上を一緒に植えると実がつきやすくなるため、基本的には禅寺丸+ほかの品種で植えるのがよいでしょう。
◆柿の育て方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→【柿の栽培】農家さんに聞いた最低限の管理方法:品種選びのポイントも
梅

梅も基本的には自家結実性のない果樹ですが、一部の品種は自家結実性を持っており、1本でも実をつけてくれます。
具体的な品種の例は以下の通りです。
・甲州小梅
・花香実
・紀州大粒小梅
・八郎
梅は管理作業が少ないため、忙しい方や初心者の方にもおすすめですよ。
◆梅の育て方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→【忙しい方におすすめ】初心者でもできる梅の栽培方法
姫りんご

姫りんごとは、小さなりんごのような実がなる、スーパーなどではあまり見ることのない少し珍しい果樹のことです。
こちらも1本で実がなるため、スペースが限られている場合におすすめできます。
おすすめの品種はアルプス乙女。
姫りんごは生食では渋かったり酸っぱかったりする品種もありますが、アルプス乙女は甘みと程よい酸味があり、小さくともりんごの濃厚な風味を味わうことができるからです。
姫りんごは観賞用としても人気が高いため、味も見た目も楽しみたいという方におすすめです。
プルーン

プルーンもすべての品種が自家結実性を持っているわけではありませんが、品種によっては1本でも実をつけてくれます。
自家結実性のある品種の例は以下の通りです。
・シュガー
・サンプルーン
・スタンレープルーン
ドライプルーンなど加工されたプルーンはよく市販されていますが、生ではなかなか売っていないため、珍しい果樹を育ててみたいという方はぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
果樹は基本的に自家結実性があるか否かで、1本で実をつけるかどうかが決まります。
そのため、管理を楽にしたい、植えるスペースが広くないといった場合には、自家結実性がある果樹・品種を選びましょう。
1本でなる果樹を手に入れ、果樹のある生活を始めてみてくださいね。