クレマチスの剪定方法:新枝咲き、旧枝咲き、新旧枝咲き別に解説
クレマチスの剪定方法を覚えよう

クレマチスは、その美しい花と優雅なつる性の姿で庭園やベランダを彩る魅力的な植物です。
しかし、その美しさを引き立たせるためには剪定が欠かせません。
クレマチスは、適切な剪定をおこなうことで健康な成長と豊富な花を咲かすことができると同時に、枝のバランスや形を整えることもできるからです。
そこで、今回はクレマチスの剪定方法について詳しく解説します。
新枝咲き、旧枝咲き、新旧枝咲きという咲き方の違う種類別に、剪定手法を分かりやすく説明いたしますね。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
クレマチスの基本情報

クレマチスは、美しい花に加えさまざまな色や形がある大人気のつる性植物です。
クレマチスは日当たりの良い場所で育つことが理想ですが、一部の品種は半日陰でも育成することができます。
また、日光が好きでありながら湿度の高い環境を好みますので、十分な水分を確保することも重要となってきます。

クレマチスは、一般的に新枝咲き、旧枝咲き、新旧枝咲きの3つのタイプに分類されます。
新しい枝から花が咲く、新枝咲きクレマチス。
前年の古い枝から伸びた新枝の先に花が咲く、旧枝咲きクレマチス。
そして、新枝咲きと旧枝咲きの両方の特徴を持っている新旧枝咲きクレマチスの3タイプに分かれます。

咲き方が違うそれぞれのクレマチスは、剪定方法においても異なるアプローチが必要です。
3種類のクレマチスの特徴を理解することは、適切な剪定を行うための出発点とも言えます。
正しい剪定方法を実践することで、みなさんのクレマチスは健康で美しい花を咲かせることができるのです。
新枝咲きクレマチスの剪定

春に伸びた新しい枝から美しい花を咲かせるタイプの新枝咲きクレマチス。
ヴィオルナ系、テキセンシス系、ヴィチセラ系、インテグリフォリア系、フルミュラ系などが、新枝咲きクレマチスになります。
主な特徴は、毎年春に地中から新芽が勢いよく成長し、その枝に花が咲くことです。
新枝咲きクレマチスの剪定方法

新枝咲きクレマチスの剪定時期は、花後と冬の2回です。
花後は、地際から数節ほど残して剪定します。
剪定することで新しい枝を伸ばし、1〜1.5ヶ月後に再び開花するのです。
やがて晩秋にかけて枯れこんでいくので、冬になったら再度、数節ほど残して地際からカットしましょう。
九州などの暖かい地域では、枝が残り芽が付いている場合もありますが、残してしまうと新たな枝が地中から伸びなくなるので、ここは思い切って地際で一度カットします。

新枝咲きクレマチスの剪定のポイントは、いかに勢いの良い新枝を地際から出すかです。
そのためにも、花後は数節残して地際からカットしましょう。
深く考えなくても良い管理方法なので、初心者の方にとっては取り入れやすい品種となります。
旧枝咲きクレマチスの剪定

旧枝咲きクレマチスは、前年に伸びた古い枝から新枝が伸び、その先に美しい花を咲かせるタイプです。
お花は春に一度しか咲きませんが、たっぷりと魅力的なお花が咲き誇り香りなども楽しめます。
モンタナ系、アーマンディー系、シルホサ系、フォステリー系、早咲き大輪系が、旧枝咲きクレマチスになります。
主な特徴は、新しい芽や新枝の発生が少なく古い枝を中心に花が形成されることです。

クレマチスの古い枝は、見た目的には「枯れている」というイメージなので、この枝から本当に新枝が出て花が咲くの?と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、芯の部分はしっかりと生きています。
「見た目が枯れている風」だからと言って、間違って剪定しないように気をつけてくださいね。
旧枝咲きクレマチスの剪定方法

旧枝咲きクレマチスの剪定時期は、花後と冬の2回になります。
花後の剪定は、花がらの1〜2節下でカットします。
その際に、枝が枯れこまないように節と節の真ん中でカットすることが重要です。
その後、花は咲かせずどんどんと枝を伸ばしていくので、そのまま様子をみてください。
その伸びた枝は、やがて翌春の新枝ができる「土台の枝」という役割になっていきます。

冬の剪定は、まず黄色くなった葉や枯れた葉を取り除きましょう。
また、購入して2年目以降のクレマチスになると、枝が数本あると思います。
その場合には、成長した枝のうち健康で強いものを選び古い枝とのバランスを保ちます。
新枝咲きクレマチスと同じように冬に地際からカットしてしまうと、花どころか新枝が出なくなるので、間違って剪定しないようにしましょう。

旧枝咲きクレマチスの剪定ポイントは、健康な古い枝の選択とバランスの調整です。
元気な古い枝を育てていくことで、その古い枝から新しい枝が育ち、お花いっぱいのお庭を作りあげることができますよ。
新旧枝咲きクレマチスの剪定

新旧枝咲きクレマチスは、新枝咲きと旧枝咲きの特徴をもつクレマチスです。
旧枝咲きになるのですが、剪定を行うことで年に何回もお花が咲くタイプになります。
年に1回しかお花が咲かない旧枝咲きと比べて、年に何回も咲くのが新旧枝咲きということになります。
お花を楽しむ時間は長いですが、お手入れの手間もいるので、初心者さんには育てる難易度が少し高いかもしれません。
新旧枝咲きクレマチスの剪定方法

新旧枝咲きクレマチスの剪定時期は、春と秋の2回です。
春の剪定では、花後、つるの全長の1/2を残して節と節の間で剪定します。
すると、その下から新しい枝を伸ばして1.5ヶ月くらいで再びお花を咲かせてくれます。
新旧枝咲きは暑さにやや弱い品種が多いので、真夏になるまでに2番目の花を開花させるように早めの剪定を心がけるのが良いでしょう。
秋の剪定時は落葉しています。
枝の整理も兼ねて剪定を行いますが、ぷっくり太った芽を残して剪定するのがオススメです。
どの品種にも共通しますが、剪定後は切り口に園芸用ワックスや殺菌剤を塗ることで感染症の予防に役立ちます。
また、土壌を十分に湿らせて追肥や栄養補給を行いましょう。

新旧枝咲きの剪定のポイントは、新しい枝と古い枝のバランスの調整と正確な長さの切り戻しです。
新枝咲きのように、地際まで剪定しないようにしましょう。
また、つるが伸びても半分しか剪定しないということは、育てている間、つるは徐々に長くなります。
クレマチスはつるの下から花が咲くことはないので、冬の剪定時にフェンスやトレリスから外して開花する位置を調整する「ツル下げ」も必要になってきます。
要は、いまあるツルをグンと下げてあげるのです。
このツル下げを行わないと、株の上の方にしか開花しなくなるので数年に1回は行いましょう。
剪定することで美しくなるクレマチスをお庭に!

クレマチスには咲き方によって3つの種類に分かれ、剪定方法が異なる特徴を持っています。
特徴を理解し正しいタイミングで剪定を行うことで、クレマチスの健康な成長と美しい花を毎年楽しむことができるのです。
みなさんのお庭のクレマチスもスッキリと剪定してあげましょう。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡