【寒冷地で春を楽しむ!】寒さに強く春に花が咲く中低木の庭木6選
寒冷地だからこそ、春を感じられるお庭をつくろう!

寒冷地でもやっと春らしくなってきましたね。お庭の雪が解けて気温が上がってきたら、待ちに待ったガーデニングシーズン!
お庭に何か植木を植えたいけど、何にしようか悩んでいるという寒冷地の方は、寒さに強くて春にきれいな花が咲く庭木を植えてみませんか?寒い冬を乗り越えたあとに、きれいな花を咲かせてくれる庭木があると、春の楽しみができますよ。
今回は、寒冷地在住で樹木医の筆者が、寒さに強くて春にきれいな花が咲く、おすすめの庭木6種をご紹介します。どれも育てやすくて、小さなお庭でも安心の中低木です。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
寒さに強く春に花が咲く低木①ボケ(落葉樹)
ボケの花の特徴

まだ雪の残る頃から、かわいらしい花を咲かせてくれるボケ。 原種は一重の赤い花ですが、今では200以上の品種があり、花の色や形がさまざまです。花色は赤、白、ピンク、オレンジなど、春らしい色が多いのも嬉しいポイント。
冬に花が咲く寒ボケは晩秋~冬に、それ以外の品種は春~初夏に花が咲くので、組み合わせると長い期間花を楽しめます。
お庭のアクセントや低い生垣、切り花など、いろいろな楽しみ方ができますよ。あまり大きくならないので 鉢植えでも育てやすい庭木です。
ボケの花をきれいに咲かせるお手入れ方法

日当たりのいい場所に植え、花が終わったら根元に緩効性化成肥料や発酵油かすを撒くと、花付きがよくなります。
成長がゆっくりな低木なので、剪定はあまり必要ありません。しかし、蒸れると病虫害が発生するので、枝が込み合ってきたら、花が咲き終わった直後に透かし剪定をしておきましょう。枝にトゲがあるので、お手入れのときは手袋をすると安全ですよ。
寒さだけでなく暑さにも強く、お手入れの手間も少ないので、忙しい方にもおすすめの庭木です。
寒さに強く春に花が咲く低木②レンギョウ(落葉樹)
レンギョウの花の特徴

ソメイヨシノより少し早く、黄色い花を枝いっぱいに咲かせるレンギョウ。満開の時期はとても鮮やかで、春のお庭を明るく彩ってくれます。
花が終わった後は明るい黄緑色の葉が爽やか。寒冷地では紅葉も美しく、黄色~濃赤色に染まる葉を楽しめます。
お庭のアクセントや低い生垣として楽しむのがおすすめです。
レンギョウの花をきれいに咲かせるお手入れ方法

日当たりのいい場所に植え、花の後に緩効性化成肥料、晩秋に発酵油かすなどの有機肥料を撒くと花付きがよくなります。
刈り込みや剪定は、花が咲き終わった後すぐに行いましょう。枝が徒長しやすいので、間引き剪定をかねて長く伸びた枝を元から切ると、株の中の風通しがよくなって病虫害を防げます。
寒さに強く春に花が咲く低木③ドウダンツツジ(落葉樹)
ドウダンツツジの花の特徴

ソメイヨシノの花が散る頃から、すずらんに似た丸く小さな花を咲かせるドウダンツツジ。満開の時期は、白い花と明るい緑の葉との優しい色合いのグラデーションが楽しめます。
秋の真っ赤な紅葉や、冬に赤い枝に白い雪が積もる様子もきれいで、四季の変化がすてきな庭木です。
どんな雰囲気のお庭にも合わせやすく、小さなシンボルツリーや低い生垣、切り花などさまざまな楽しみ方ができます。丸い形に仕立てるのもおしゃれですよ。
ドウダンツツジの花をきれいに咲かせるお手入れ方法

日当たりのいい場所に植えると付きがよく、紅葉の発色もきれいです。雪どけ後と花の後に緩効性化成肥料や発酵油かすをやると、さらに花付きがよくなります。
少し乾燥に弱いので、夏はとくに水切れに注意し、庭植えでも土が乾燥していたら涼しい時間にたっぷりと水をやりましょう。
自然樹形で育てる場合は剪定はほとんど必要ありません。生垣や仕立物は、毎年花が終わった後すぐに刈り込みをしてください。
寒さに強いだけでなく、暑さや病虫害にも強いので、初心者の方にもおすすめの庭木です。
寒さに強く春に花が咲く低木④ユスラウメ(落葉樹)
ユスラウメの花の特徴

八重桜が咲くころに、ウメに似た白くてかわいい花を咲かせるユスラウメ。株いっぱいに咲く花が美しく、やわらかな春の雰囲気を感じられる庭木です。
梅雨の頃には丸く小さな赤い実をつけます。ユスラウメの果実は、甘酸っぱくてとても美味しい実ですが、市場には出回らないので、育てている人だけの特権ですね。
どんな雰囲気にも合わせやすく、小さなシンボルツリーや鉢植えにおすすめの庭木です。
ユスラウメの花をきれいに咲かせるお手入れ方法

日当たりのいい場所に植えると、花付きがよくなります。肥料を与えなくても、毎年たくさんの花を咲かせてくれます。
成長がゆっくりなので剪定はあまり必要ありません。枝が混み合ってきたら、落葉期に間引き剪定をしてください。
病虫害もほとんどつかず手がかからないので、忙しい方や初心者の方にもおすすめの庭木です。
寒さに強く春に花が咲く低木⑥レンゲツツジ(落緑樹)
レンゲツツジの花の特徴

レンゲツツジは、八重桜が終わる頃にオレンジや黄色の花を咲かせます。落ち着いた花色で、春のお庭を優しく彩ってくれるツツジです。涼しい山や高原などに自生する植物で、寒冷地では公園などで目にすることも多いです。
お庭のアクセントや低い生垣、鉢植えとして楽しめる庭木です。
とてもきれいな花ですが、植物全体に毒があります。小さなお子さんやペットがレンゲツツジを触ったり口に入れたりしないように注意してください。
レンゲツツジの花をきれいに咲かせるお手入れ方法

日当たりのいい場所に置き、花の後と晩秋に緩効性化成肥料を与えると、花付きがよくなります。
乾燥に弱いので、地植えでも土が乾いていたら涼しい時間にたっぷりと水をやりましょう。とくに夏は乾きやすいので、水切れに注意してください。
成長がゆっくりで枝数も多くないので、剪定はあまり必要ありません。樹形を整えたいときや、枝が混み合ってきたときは、花が終わった直後に剪定を行ってください。
レンゲツツジの蕾や花を食べる、ベニモンアオリンガという害虫が発生することがあります。食害されているのを見つけたら、早めにGFオルトラン液剤などの殺虫剤で対処しましょう。
寒さに強く春に花が咲く中木⑤ハナカイドウ/カイドウ(落葉樹)
ハナカイドウの花の特徴

八重桜と同じ頃に、木をふんわりと覆うように桜に似たピンク色の花を咲かせるハナカイドウ。つぼみは濃いピンク色で、開いた花は淡いピンク色なので、春らしいピンク色のグラデーションが楽しめます。
どんな雰囲気のお庭にも合わせやすく、寒冷地のシンボルツリーとして楽しまれています。 樹高3m程度なので育てやすく、桜を植えたいけれど高木は植えられないという方に、ぜひおすすめしたい庭木です。
ハナカイドウの花をきれいに咲かせるお手入れ方法

日当たりのいい場所に植え、花の後と晩秋に緩効性化成肥料を与えると、花付きがよくなります。
やや乾燥に弱いので、夏に日照りが続いたら、涼しい時間にたっぷりと水をやりましょう。
蒸れると病虫害が発生するので、風通しのいい場所に植え、枝が混み合ってきたら冬に透かし剪定を行い、株の中の風通しをよくしておきましょう。
うどん粉病やアブラムシが発生したら早めにベニカXファインスプレーなどの殺菌殺虫剤で対処してください。
さいごに

筆者の家の庭にはドウダンツツジがありますが、花が咲くととてもきれいで嬉しくて、ついつい長い時間眺めながら、春っていいなーと実感しています。冬が寒くて長い寒冷地だからこそ、春の花ってとっても嬉しいですよね。
今回ご紹介したレンゲツツジやハナカイドウは暑さに弱いので、「寒冷地だから楽しめる」庭木でもあります。あなたもぜひ、寒さに強くて春にきれいな花が咲く庭木を取り入れて、花いっぱいのお庭で春を感じてみませんか?
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この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。