宿根草の庭 3月のお手入れ
3月は春に向けて宿根草の庭の活動が始まる時期

3月に入ると、日差しが強くなり春を感じられるようになります。
まだまだ寒暖差のある時期ですが、地中で休眠している宿根草は根の活動が始まり新芽が少しづつ大きくなる時期です。
ぽかぽか陽気の日を選んで、宿根草のお手入れをしてみませんか。
3月のお庭で行いたい宿根草のお手入れについてご紹介しますね。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
宿根草の庭①植え替え

3月は夏~秋咲き宿根草の成長が始まる時期で、園芸店に行くと宿根草の新苗が一斉に並び始めます。
園芸店の宿根草は、お庭の宿根草よりも早めに成長して販売されているのが特徴です。
そのため、園芸店で様々な宿根草と出会うことで、みなさんのお庭のイメージに合う宿根草も見つけやすくなるでしょう。
良い苗に出会うためにも、2月下旬あたりから入荷の状況をチェックしておくと良いですよ。

まずは、苗選びのポイントです。
春先の苗は促成栽培されて軟弱に育ってしまう宿根草もありますので、見た目的に弱々しい苗は避けます。
弱々しいというのは、ヒョロヒョロとしていたりパキン!と張りがない状態です。
さらに、芽が貧弱な場合だと旺盛な生育が望めないので芽も生き生きしているものを選びましょう。

お気に入りの宿根草を購入してきたら、早いうちにお庭や鉢へ植えてあげます。
新芽や新根の成長が始まる3月の宿根草は、根付きも良くてその後の成長も順調だからです。
植える際は、株の状態などを観察して成長後の大きさを考えつつ株間や深さを調整してくださいね。

ここで、少し注意点があります。
地植えする場合、新しい宿根草を植え付けるエリアの土のコンディションはいかがですか。
昨年度までの土のままだと、土の栄養も少なく病害虫が発生しやすい状態になっています。
そのような状態の土に生き生きとした宿根草を植えても、その後の成長にあまり期待はできません。

苗を購入する前であれば、土の天地返しを行い土の入れ替えを行ったほうが良いでしょう。
2月までに終わらせて寝かせておくのがベストですが、時間に余裕があるようであればトライしてください。
天地返しをした後に腐葉土を漉き込んであげると、土の中に空気も入り土の状態も改善されますよ。

宿根草を植え付けた後は、根がしっかり張るまでは乾燥に注意してくださいね。
しばらくは様子を見て、乾燥する前にたっぷりの水やりを忘れないようにします。
3月は三寒四温といって比較的雨が降ることも多いですよね。
地植えの場合ならちょっと忘れていたとしても大丈夫ですが、鉢植えの場合は直ぐに乾燥してしまうので注意しましょう。
宿根草の庭②株分け

「株分け」と聞いても、初心者の方だと聞きなれないワードでイメージがつかないのではないでしょうか。
株分けとは、株が大きく育った宿根草を掘り出して株(根元)をいくつかに分割することです。
3月の宿根草は地上部がないか、ようやく新芽が出てきたくらいなので、作業がしやすいという利点があります。
ただし、新芽が出ている場合には新芽を傷つけないよう慎重に作業を行いましょう。

株分けの最大のメリットは、お気に入りの宿根草を自分で増やしていく事ができるということです。
園芸店に行って購入する手間と費用を抑えることができますよね。
株分けする宿根草は、植えてから数年がたち大きくなった株を選んでくださいね。
株分けした宿根草を一から育てることで、愛情が湧きお庭の作業自体を楽しむことにも繋がるでしょう。

同じ宿根草でも株の増え方によって作業方法が違います。
宿根草の株分けの方法は、株の増え方によって5つに分けられるのです。
①株立ち状になる
②ランナーで増える
③地表面をほふく茎で増える(画像の植物)
④地下茎を伸ばして増える
⑤根茎で増える
①の株立ち状になる宿根草の場合でお話いたしますね。
こちらのタイプは、株元近くに短い地下茎を伸ばして地上に新芽が出てきます。
有名なところで言うとクリスマスローズです。
クリスマスローズは植えてから5〜7年経つと、周囲の若い芽の勢いがついて株の中心が枯れたり元気がなくなります。
そのタイミングで株分けを行います。
小分けにはせず、3~4芽単位くらいで株にハサミを入れて分けてみましょう。
分からない時は、新芽に当たらないように注意しながら半分にカットするだけでも良いですよ。
宿根草の庭③遅霜対策

寒い時期には地中で休眠している宿根草も、3月になると春の陽気に誘われて地上に新芽が見え隠れしてきます。
しかし、寒暖差の激しい時期なので、春に伸びてくる新芽は凍害や霜の被害を受けやすい状況でもあるのです。
特に、アスチルベやホスタ(ギボウシ)、シランなどの柔らかい葉や蕾は霜にあたって寒さで枯れてしまうことがあります。

そこで、シッカリとした遅霜対策を行いましょう。
一般的には、夕方前に不織布をかぶせて風で飛ばされないように固定する作業が一般的です。
郊外の野菜畑などで、不織布をかけている様子を何気なく見かけた事もあるのではないでしょうか。
しかし、外したり被せたりが面倒だと思われる方もいらっしゃるでしょう。
そんな時に、落葉を利用するという方法もあります。
宿根草の新芽を守るために、周辺に落ちている落葉を被せてあげるのです。
地上部がある宿根草でも同じです。
落葉清掃と同時にできるので、掃除と遅霜対策が同時に出来ます。
風の影響で飛ばされる可能性もあるので、土をかけて様子をみるのも良いでしょう。
新芽を守ることで、春以降のお庭がにぎやかになりますよ。
宿根草の庭④肥料

株が大きくなった宿根草は、肥料をやり忘れたからといって成長に大きく影響することはありません。
肥料をあげなくても、株が育っていれば神経質になる必要はないでしょう。
逆に、新苗や株分けしたばかりの苗はこれから成長期に入っていくので肥料を与えます。
芽を太くして大きくしたい種類や、その後の夏に向けて茎葉を茂らせたい種類には緩効性肥料を与えましょう。
地植えで土の環境も良ければ、肥料は気持ち程度で大丈夫です。
もし、痩せた土地に植えてしまった場合にはしっかりと与えると良いでしょう。
宿根草の庭⑤鉢植えの管理

一年で最も寒い時期を乗り越えた鉢植えの宿根草。
3月は寒暖差がありながらも、春の日差しは休眠中の宿根草の目を徐々に覚ましてくれます。
軒下や日陰などで休眠させていた宿根草の鉢は、日当たりの良いエリアへ移動させましょう。
また、防寒対策で覆っていた落ち葉やバークチップなども3月後半に入ったら全て取り出して株元をスッキリさせます。
そうする事で、新芽の成長を促すことに繋がりますよ。

作業のタイミングが分からないという方は、時々、鉢の株元を観察してください。
地表に新芽や新しい葉が出始めたら、作業の合図です。
タイミングを逃して軒下や日陰に置いたままにしていると、日光がうまく取りいれられず弱々しい苗になってしまいます。

鉢植えの宿根草は、成長が始まると水や肥料をどんどん吸収するので、鉢の土が乾いていないか小まめな観察が必要です。
乾く前に水を与えるのが基本となります。
肥料に関しては、必要に応じて施していきましょう。
宿根草の庭で春の足音を感じよう

宿根草の3月のお手入れは、4月以降の宿根草の成長に大きく影響する作業が多いです。
徐々に暖かくなり、久しぶりのお庭での作業も新鮮ですよね。
また、作業中に可愛らしい新芽や美しい新葉を近くで感じられるので喜びも大きいでしょう。
暖かい日を選んで、宿根草の息吹を感じてくださいね。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡