【香りを楽しむ】中低木の庭木6選|三大香木や育て方もご紹介!
三大香木などのいい香りの庭木をお庭に植えてみませんか?

ふわっと漂ってくるお花の香りで季節を感じた経験、ありませんか?筆者はお花の香りで季節を感じると、なんだかうれしい気分になります。そんな、香りで季節を感じられる庭木がお庭にあったら、素敵ですよね。
庭木には三大香木(さんだいこうぼく)と呼ばれる、季節ごとの風物詩にもなっているような、とてもいい香りのする花を咲かせる木があります。どれもお庭で育てやすい木ですよ。
今回は三大香木をはじめとした、いい香りの花が咲く中低木(最高樹高5m以下)の庭木を6種ご紹介します。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
三大香木【春】ジンチョウゲ(常緑低木)
ジンチョウゲの香りと特徴

三大香木の春の花は、甘い香りのジンチョウゲ。まだ寒い春の初めに優しい香りを漂わせて、春の訪れを教えてくれます。
肉厚の花と濃い緑色の葉が特徴で、淡いピンク色の花のほか、白い花や葉に斑が入った品種もありますよ。
お庭のアクセントやシンボルツリーの引き立て役におすすめの庭木です。鉢植えでも育てられるので、お気に入りの品種を鉢植えにすれば、香りを楽しみたい場所に気軽に移動できますよ。
ジンチョウゲの香りを楽しむ育て方

日陰に強い庭木ですが、日当たりの良い場所で育てると花付きがよくなります。
根が少ないので、地植えするときは支柱をすると安心です。また、根が傷つくと弱ってしまうので、鉢植えの場合は植替えを最低限にし、根を切らないように植替えましょう。
成長が遅く、剪定はあまり必要としません。
ジンチョウゲは木全体に毒を持っています。お子さんやペットが口に入れないように注意しましょう。
三大香木【夏】クチナシ(常緑低木)※暖地向き
クチナシの香りと特徴

梅雨時にとっても甘い香りを漂わせるのは三大香木の夏の花、クチナシ。風上にクチナシがあると、少し離れた場所でも香りを感じることができます。
真っ白な花と明るくつやつやした葉が清楚な雰囲気で、梅雨時のお庭を爽やかな雰囲気にしてくれる庭木です。
樹高が低く花が小ぶりなコクチナシや、八重咲の品種などがあり、植える場所や好みに合わせて選ぶことができますよ。
お庭や玄関横のアクセント、花壇の縁取りなど、様々な楽しみ方ができます。切り花としてお部屋に飾って、香りを楽しむのも素敵ですね。
クチナシの香りを楽しむ育て方

日当たりと風通しのよい場所に植えると花付きがよく、病虫害も防げます。北関東以北では地植えすると冬越しが難しいので、鉢植えで楽しむのがおすすめです。
害虫が付きやすいので、初夏から夏の終わりにかけて家庭園芸用GFオルトラン粒剤を根元に撒いておくと予防できます(年5回まで使用可)。また、甘い香りに誘われてアリもかなり集まるので、気になる方はアリ対策もしてください。
剪定は花後すぐに、花がら取りを兼ねて毎年行いましょう。伸びた枝や込み合っている枝を剪定しておくと毎年きれいな花を楽しめますよ。
三大香木【秋】キンモクセイ(常緑中木) ※暖地向き
キンモクセイの香りと特徴

三大香木の秋の花は、オレンジ色の小花がかわいらしいキンモクセイ。柑橘類のような爽やかさのある甘い香りがどこからともなく漂ってくると、秋を感じますよね。筆者は子どもの頃、キンモクセイの花をハンカチやティッシュに包んで、におい袋を作って遊んだ思い出があります。
年間を通して濃い緑色の葉が茂っているので、シンボルツリーや生垣、目隠しにおすすめです。
キンモクセイの香りを楽しむ育て方

日当たりと風通しのよい場所に植え、枝が込み合ってきたら花後に間引き剪定をして、株の中まで日光と風が入るようにしておきましょう。風通しがいいと病虫害を防げますし、日当たりがいいと花付きがよくなり、香りをたくさん楽しめます。成長はゆっくりなので、頻繁な剪定や刈り込みは不要です。
寒さに弱いので、南関東以西に植えるのがおすすめです。
香りを楽しむ庭木:ロウバイ(落葉中木)
ロウバイの香りと特徴

冬に、フルーツのような甘くて優しい香りの花を咲かせるロウバイ。三大香木ほど強い香りではありませんが、三大香木にロウバイを足して四大香木と言われることもあります。
名前の由来は花が蝋細工のようだから。半透明の黄色い花が、春が近づいてきていることを教えてくれます。品種によって花の形が少し違うので、気に入った品種を植えてみてくださいね。
どんな雰囲気のお庭にも合わせやすく、シンボルツリーやサブツリーにおすすめの庭木です。花が咲いている枝を少し切って、お部屋に飾るのも素敵ですよ。
ロウバイの香りを楽しむ育て方

日がよく当たる場所に植えると花付きがよくなります。過湿に弱いので、じめじめした場所を避けて植えましょう。
暑さ寒さにも病虫害にも強く、樹形も自然に整うので剪定もあまり必要ない、ローメンテで育てやすい庭木です。伸びすぎた枝を切りたい場合は花後すぐに行ってくださいね。
香りを楽しむ庭木:カラタネオガタマ(常葉中木)※暖地向き
カラタネオガタマの香りと特徴

初夏にバナナのような甘い香りを漂わせるため、バナナツリーとも呼ばれます。この花には「甘い誘惑」というぴったりな花言葉があるそうですよ。
カラタネオガタマにも品種がいくつかあり、赤みがかった白花のポートワインや、紫の花が咲くパープルクイーンなどがあります。
エキゾチックなシンボルツリーとして楽しむほか、目隠しとして植えられることもあります。葉はそれほど密生しないので、圧迫感の少ない目隠しになりますよ。
カラタネオガタマの香りを楽しむ育て方

日当たりと風通しのよい場所に植えると、花付きが良く、病虫害を防げます。移植に弱いので植付け直後に葉をたくさん落としてしまうことがありますが、徐々に回復するので、慌てずに乾燥させないように管理しながら見守ってくださいね。
成長が遅く、自然と樹形が整うので、剪定はあまり必要ありません。伸びすぎた枝を切りたい時は、花後すぐに行いましょう。
寒さに弱いので、南関東以西で育てるのがおすすめです。
香りを楽しむ庭木:ライラック(リラ)(落葉中木)※寒冷地向き
ライラックの香りと特徴

春から初夏にかけて、優しく甘い香りの花を咲かせるライラック。この香りは香水やアロマに使用されることもあり、リラックス効果が認められています。
小さな花を房状に咲かせ、明るい緑色の葉とのコンビネーションが爽やかです。長い冬を乗り越えた寒冷地で目にすると、清々しい気分になりますよ。
ライラックは品種によって多岐にわたる花色があるのが嬉しいポイント。ポピュラーな紫色のほか、白やピンク、青など淡い色が多めです。
洋風のお庭のシンボルツリーやアクセントにぴったりの庭木です。
ライラックの香りを楽しむ育て方

日当たりと風通しのよい場所に植えると花付きがよく、病虫害を防げます。寒冷地ではそれほど気にする必要はありませんが、西日に弱いので、できれば西日が当たらない場所に植えるのが無難です。
成長はゆっくりで、剪定はあまり必要ありません。伸びた枝を切りたい時は花後すぐに切ってください。
暑さに弱いので、東北以北で育てるのがおすすめです。
さいごに

お庭に植えてみたい香りの庭木はありましたか?三大香木がお庭にあったら、外に出るのが楽しみになりそうですね。お天気のいい日はお庭に面した窓を開けて、家の中でも香りを楽しめるかもしれません。
筆者と同じ寒冷地にお住まいの方は植えられる庭木が少ないですが、三大香木を鉢植えにしたり、ライラックやロウバイを植えたりして楽しみたいですね。
今回ご紹介した庭木は比較的育てやすいものばかりです。香りやお住まいの地域の気候などに合わせて選んでみてくださいね。
この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。