【要注意!?】実は毒がある身近な庭木~正しく知って楽しもう~
身近な庭木にも毒がある!?

「毒がある木」皆さんはいくつ知っていますか?お庭や公園でよく使われている、花や実がきれいな樹木の中にも、実は毒を持っているものがあるんです。お子さんやペットがいるご家庭では特に気になるところですよね。筆者の家にも4歳の子どもがいるので、庭に植える植物は慎重に選んでいます。
そこで今回は、お庭によく植えられているけれど毒がある庭木をご紹介していきます。どの庭木も、普通にお庭で花や葉を楽しむだけなら問題ない樹木ばかりです。それぞれの庭木の毒がある部位や安全に楽しむための方法もお伝えしていくので、過度に怖がらず、気をつけるべきポイントを知っておきましょう。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
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目次
毒がある身近な庭木【低木】
アジサイ

梅雨のじめっとした時期に爽やかで美しい花を咲かせてくれるアジサイ。お寺や観光地で目にすることも多い庭木ですよね。
アジサイの毒はそれほど強いものではありませんが、花・葉・茎などすべての部位に毒があると言われています。花や葉が初夏の装飾として使われることもありますが、絶対に口にせず、目で見て楽しみましょう。
庭で育てている場合は、アジサイの花を花瓶に生けて飾ることもあると思いますが、花瓶の水が家族やペットの口に入らないように注意してくださいね。
シャクナゲ

多種多様な花色と花の形で初夏のお庭を豪華に彩ってくれるシャクナゲ。こちらもお寺や観光地でよく見かけますよね。
庭木としてメジャーな西洋シャクナゲのほか、金平糖のような花がかわいらしいカルミア(アメリカシャクナゲ)や、山に自生しているシャクナゲも、すべての種類ですべての部位に毒がありますので、口にせず、目で見て楽しみましょう。
時々花の蜜を吸って遊んでいる子どもを見かけます(筆者もやっていました…)が、シャクナゲは蜜にも毒があります。お子さんがいる方は注意してあげてくださいね。
レンゲツツジ

初夏に元気なオレンジ色の花を咲かせてくれるレンゲツツジ。涼しい山地に自生しているツツジで、東北以北では庭木や公園木としても親しまれています。
ヒラドツツジやサツキツツジには毒がないとされていますが、レンゲツツジはすべての部位に毒があります。レンゲツツジにもいくつか品種があるので、毒の無いツツジをお庭に植えたい方は、品種をよく確認して選んでくださいね。
シャクナゲ同様、蜜を吸うのも危険です。ツツジは特に、蜜を吸って遊ぶ子どもが多いです。レンゲツツジを見分けるのは難しいかもしれませんので、安全のため、ツツジの仲間の蜜は吸わないようにしましょう。
ニオイバンマツリ

初夏~夏にかけて、紫色の花を咲かせてくれるニオイバンマツリ。咲き始めは濃い紫色で、徐々に白に変化していくので、紫色のグラデーションを楽しめます。また、ジャスミンに似た花の香りが夜に強くなる不思議な性質もある、おもしろい庭木です。
しかし、このニオイバンマツリにも、すべての部位に毒があります。かなり強い毒なので、お子さんやペットがいるご家庭では周りを柵で囲うなど、この庭木に近寄れないような工夫をしておくと安全です。
アセビ

春先に、スズランのようなかわいらしい花を咲かせて春を告げてくれるアセビ。日陰でもよく育って花を咲かせてくれる常緑樹なので、お庭や公園でも重宝される庭木です。また、花だけでなく葉も小ぶりで繊細な印象なので、フラワーアレンジメントや生け花の材料として使用されることもあります。
アセビもすべての部位に毒があるので、アセビを庭で楽しむ際は、ペットやお子さんが近寄れないようにするほか、花を飾った花瓶の水が口に入らないように注意しましょう。
ニシキギの仲間(ニシキギ、マユミ、コマユミ、ツリバナ、マサキ)

真っ赤な紅葉が美しいニシキギ・マユミ・コマユミ・ツリバナや、生垣によく使われるマサキなど、お庭や公園でよく見かけるニシキギの仲間にも毒を持つ庭木があります。
ニシキギの仲間が秋に付ける赤い実は、花よりも目立つくらい特徴的で、もしかしたら美味しいのではないかと思うような見た目をしているのですが、この実に毒があります。子どもたちの目を引く実ですので、お子さんがいる方は、絶対に口に入れないように注意してあげてください。
ランタナ(七変化)

初夏から晩秋まで、非常に長い期間花を咲かせて楽しませてくれるランタナ。かわいらしい花は開花後徐々に色が変わっていくので、一株でもカラフルな花色が楽しめます。
筆者の好きな花の一つでもあるランタナですが、種子と葉に毒があります。また、生命力・繁殖力がとても強いため、野生化するとその土地の在来植物に悪影響を与えてしまう恐れがあるとして、世界の侵略的外来種ワースト100に入っています。
ランタナをお庭で育てる際には、種子や葉が人やペットの口に入らないように注意することと、ランタナが野生化しないように、コンパクトに育てることを意識しましょう。
毒がある身近な庭木【中高木】
エゴノキ

初夏に可憐な白い花をたくさん咲かせてくれるエゴノキ。花がピンク色の品種もあり、繊細でかわいらしい印象なので、シンボルツリーとしてお庭に植えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな、可憐でかわいらしい花の後に付く、緑色の丸い実にエゴノキの毒があります。「エゴノキ」の名前は実に「エグ味」があることから付けられたという説もあるほど苦いらしいので、食べることはないと思いますが、お子さんやペットがいるご家庭でシンボルツリーとして植える・植えている場合は念のため注意してくださいね。
イチイ(アララギ、オンコ)・キャラボク

秋から冬にかけて色づく赤い実がかわいらしく、昔からある庭木ながら冬にはクリスマスの雰囲気も味わえるイチイとキャラボク。でも、この赤い実と枝や葉に毒があります。実の果肉部分は食用にされることもあるそうですが、中の種子に毒があるため注意が必要です。とはいえ、筆者は果肉も危ないのではないかと個人的には考えています。
お庭に植える際には実を口に入れないように注意し、目で見て楽しむのが一番ですよ。
イヌマキ・ラカンマキ

生垣や和風の庭木の定番であるイヌマキやラカンマキ。秋に熟す実は、どちらも2色の串団子のような面白い形をしています。
イヌマキとラカンマキもこの実に毒があります。正確には先端の青白い部分に毒があり、赤い部分は食用にされることもあるそうですが、むやみに食べない方が良いでしょう。
こちらもお庭に植える際には、家族やペットが実を食べないように注意し、見て楽しみましょう。
毒がある身近な庭木【つる性】
エンジェルストランペット

初夏から秋にかけて、大きなラッパ型の花がぶら下がって咲く、見ごたえ満点のエンジェルストランペット。暖地にお住まいで、パッと目を引く庭木を探している方にはぜひおすすめしたい見た目ではあるのですが、この植物はすべての部分に強い毒があります。
生育旺盛なつる植物なので、自宅の敷地から出ないように管理することと、ペットやお子さんが近づかないように柵で囲うなどして、離れたところから花を楽しみましょう。また、お手入れの際には手袋を付け、剪定で出たごみはすぐに片づけてくださいね。
毒がある庭木を安全に楽しむために

毒がある庭木を安全に楽しむためのポイントをまとめました。特に、強い毒がある植物や、すべての部位に毒がある植物は以下のことに注意してくださいね。
・お手入れするときには手袋をする
・作業した後は手をよく洗う
・剪定で出た枝ごみを放置しない
・花を生けた水にも注意
・ペットや子どもが近寄らない工夫
さいごに

毒があることを知っていた庭木はありましたか?よく見る庭木も意外と多かったのではないかと思います。「毒」と言われると怖いイメージを持つかもしれませんが、「食用でないものは口にしない」という基本的なことを守っていれば大丈夫。
今回ご紹介した以外にも毒のある植物はありますが、販売されるときには「毒がある」などの表記は義務化されていません。小さなお子さんやペットと生活しているなど、気になる方はしっかりと調べてから購入されることをおすすめします。
この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。